20号室

まるで奇形児のごとく
あざけりからかわれて
まるで奇形児のごとく
不本意な憐れみをうける

奇形児という存在を
自己証明の手段に用いるアザトイ輩
奇形児という存在を
特別なモノに祭り上げ
己の自尊心を必要以上の
尊厳性で虚飾する狡さ

奇形児の本質のナニをわかっているというのか?
奇形児は奇形児であって
それ以外のナニモノでもない

愚かな人間が
己の愚かさを誤魔化すための
引き合いに
奇形児という言語を濫用している
奇形児の本質は
それほど乱雑ではないのだ

奇形児は奇形児
奇形児は確立された人格なのだ
憐れみなどもっての他だ
憐れみは屈辱に等しい

奇形児という言語が
特別扱いされている事実に
何も感じない鈍さこそが
謂われ無き差別を生み出す元凶なのだ

奇形という現実に向き合うべきなのだ
奇形という事実を慈しむべきなのだ
現実に左右される慈悲など
マヤカシなのだ

まるで奇形児のごとく
あざけりからかわれて
まるで奇形児のごとく
不本意な憐れみをうける

2015年4月29日 Yasu

Share information...Share on twitter
Twitter
Share on facebook
Facebook